かりそめ家族、妖精の国へ ~寂しがり姫を偽母として甘やかしたらカタブツ学者さまに愛されました~
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 そして食事の後、マルーシャは早々に女子部屋に連れ戻された。ダニールはしっしっと手を振って追い払われる。
 そんなラリサの勢いが意味不明だ。わけがわからないながらミュシカもワクワクしている。楽しい話が始まりそうな気がするのだ。

「はいはい、ちょっと確かめたいんだけどマルーシャ」
「……なあに?」
「あなたダニールのこと、どう思ってる?」
「え!」

 不意打ちの直球でうろたえてしまった。
 どう。どうって。
 ラリサはふ、と優しい顔になる。

「特に旅に出てからだけど、ダニールに対してジタバタしてる気がするんだもの」
「え、えーと」
「マルーシャから見たダニールって、そこそこ男らしい感じ? そうだわ、土がはじけた時にはあなたたちを片手ずつにして飛びのいたっけ」

 思い出してマルーシャはドギマギする。
 おまじないを教えてくれるダニールはいつも真剣で、でもマルーシャを守ろうとしてくれていて――おかげで立ち位置が近い。

「仕事のできる男ではあるでしょ?」

 細かい聞き取りが始まってしまった。三人そろって寝台に座り込む。

「まあ……そう思いマス」
「仕事以外がちょっと頼りないけど。そこは可愛げってことで」
「そんな。しっかりした人だわ」
「あら。そうね、他人を気づかえるし。一緒に暮らすのに思いやりって必要だから」
「一緒ってラリサ!」

 話の飛躍に抗議したが、ラリサは不敵な微笑みだった。
 恋をし、結婚し、子どもだの義家族だのをさばいてきたラリサ。女性としてくぐってきた経験値がマルーシャとは比べものにならない。

「言ったでしょ、夫として優良物件だって。だからそこまで見据えての話。そりゃ甘い言葉をささやいたり素敵なデートを演出したりはできないと思うわよ? でも男の価値ってそんなところじゃないから」
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