履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜
一方その頃
一方その頃、日本では同期会の真っ最中だった。
改めて自己紹介と所属を一人一人が話していき今は自由に雑談をしている所だ。
あまり他の人と交流がない佐川は食事をしながら周りを見ていた。
別に仕事の同期なんて特に無理して仲良くならなくてもいいやという考え方だった佐川。
こうしてぽつんと一人で食べていても特に誰も話しかけてこない。
お腹いっぱいになったら帰ろうかな、次の同期会にはもう参加しなくてもいいかな、などと考えていると白鳥さんの話が耳に入ってきた。
「白鳥さんだけ来てないね」
「社長とフランスに出張だって」
「羨ましい〜、可愛い子って得ね」
見てみると富岡さんと阿部さんだった。
確か2人は白鳥さんと最初は一緒にいたはず…
「最初、幹事の予定だったんでしょ?」
「出張があるから無理でしょ、私は逆に生島くんと幹事が出来て良かったけどね」
なるほど、富岡さんは生島くんが気になっているのね、生島くんが先に白鳥さんに声をかけたから…ふーん
佐川は部屋から1度出て、トイレに行った。
黒縁のメガネを取り、カバンにしまい、メイク道具で目の周りを変えて持っていたつけまつ毛をしてマスカラでクイッと上にあげる。
口紅も少し赤めの目立つ色に変え、カーディガンを脱いで腕を出す。
トイレから戻ると誰?あんな美人いたか?とコソコソと声が聞こえ、自分のいた席に戻り、また食べ始めた。
「えっ、佐川さん?」
富岡さんが話しかけて来る。
一応同じフロアなので少しは話した事はあるので富岡さんと阿部さんが寄ってきた。
「本当に佐川さん?」
「そうだけど」
「さっきまでメガネかけてたのにどうしちゃったの?」
「どうもしないけど」
「話し方は佐川さんのまんまだ(笑)」
2人はケラケラと笑っている。