履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜
万珠は自分の手でハートを作り
「メンバーカラーはピンクの万珠でーす、今日もみんなとキュンキュンしたいな」
とアイドル時代の挨拶を言ってハートを作った手を慧介の前に伸ばした。
慧介はじっと立っている。
「万珠ってやっぱり可愛いくない?」
首を傾げる。
「可愛くないことはないけど…俺はやっぱり小悪魔的な万珠が好みだな」
「そうなのか、今日は目尻を思いっきり下げて幼くしたから…」
慧介は万珠の頭をポンとして、着替えてこいと言った。
「はい…」
万珠は部屋を出て、自分の部屋に戻り、化粧を落としてシャワーを浴びた。
化粧水をつけてマスカラと口紅だけ塗る。
「慧くんはアイドルの万珠は刺さらなかったか」
自分でも人気もあまり伸びなくて大学の単位を優先して辞めたアイドル時代の2年間だったが、その時は必死に頑張っていたのにな…
アランさんには喜んでもらえたのに、慧くんには引かれちゃったかも…
万珠の事、嫌いになってないかな…
ロビーに行くとソファに座っている慧介は電話をしていた。
邪魔をしないようにゆっくり近づくと
「昨日の会議の通りだ」と聞こえた。
あの後、会議したんだ…
万珠は少し慧介から離れた椅子に座り電話が終わるのを待っている。
「安達の言う通りにして良かった、あぁ、そうだ、感謝してる」
電話の相手は安達さんなんだ…
万珠は何をしても会社の事では何も役には立てないんだ。
万珠は俯いていた。