履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜

時間になりスーツを着た50代くらいの男性が前に立つ。

「みなさん、本日は㈱cuteへの入社、誠におめでとうございます、副社長の津川(つがわ)です、本日社長は海外で大事な商談中の為、私が代わりにご挨拶をさせていただきます、えー、このcuteという会社はですね……」

ふーん、社長が入社式にいない事なんてあるんだーなんて万珠は考えながら、副社長の話を全く聞いていなかった。

入社式が終わると、エレベーター前に立っていてくれた女性が万珠達に資料を配ってくれた。

1ヶ月の研修とその後に部署が決まるそうで、明日からは服装は自由で、この会場に来てくださいと言われ、お昼前に解散となった。

万珠は笑顔で他の同期の人にも積極的に話しかけにいき、自己紹介をしていった。

ふと見ると佐川さんが会場から出ていくのが見えて

「佐川さん、また明日〜」

と声をかけると軽く会釈をして帰っていったのだ。

万珠は残っていた同期の子とランチをすることになり、ビルから5人で出ると近くのファミレスに行った。

人見知りをしない万珠は自分からランチに誘い4人が行くと返事をくれて席に座った。

「あー、ネクタイきつっ」

そう言ってネクタイを外したのは生島(いくしま)くん。

「でも営業に配属になったらネクタイいるんじゃね?」

もう1人の男性の岡崎(おかざき)くん。

「あっ、でも私cuteのポロシャツ着てる人を見た事があるよ」

そう言ったのは女性の富岡(とみおか)さん。

「明日、自由な服装って言ってたからあるんじゃない?会社のパンフレットになかったっけ?」

さっきもらった資料を取り出す女性の阿部(あべ)さん。
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