履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜
「白鳥さん、先にお昼に行ってきてください」
「あっ、はい」
少し早い昼休みになり、フリースペースで自分で握ってきたおにぎりを食べていた。
「万珠」
振り向くと営業に配属された生島くんがコンビニのお弁当を持って立っていた。
「何か久しぶりな感じだね〜」
「そうだな、配属されてから中々会わないから」
「大変?」
「今はな、仕方ないよ、覚えることたくさんあるし、少し落ち着いたら同期会でもしようぜ」
「いいね!」
秘書課に戻ると三浦さんが昼休みに入った。
1人で秘書課にいるとカツカツと足音がして階段側のドアが開いた。
「白鳥1人か?」
「はい…あっ、あの、これ」
万珠は机の引き出しに社長のポロシャツを入れていたのだ。
「何だこれ」
「お借りしていたポロシャツです」
「あー、あの日のな(笑)」
「笑わないでくださいよー」
「いや、すまん、だが(笑)」
社長は思い出し笑いを始めた。
「万珠が本当に誘ったのか自分では思ってないですから」
「俺が誘ったと?」
「だって…」
「記憶がないのがそもそも駄目だろ」
「それは…そうですけど、記憶なくすことなんて今までなかったから」
「きっと疲れてたんだよ、飯行くか?」
「もう食べました」
「夜だよ、昼は俺も食ってきた、コーヒーでも飲もうと思ったら無くて詰め替えを取りに来た」
「あっ、じゃあ総務にもらってきます」
「頼む」
社長は部屋を出て、階段を上がっていく足音がした。
安達さんから教えてもらっていたメモを見て、物品の申請書に書いて総務に持って行った。
会社の各課とかフリースペースにもコーヒーメーカーが置いてある。
「どうぞ」と総務課の人の隣で佐川さんがメモを取っていた。
「ありがとうございます、急にすみませんでした」
どうやら物品申請は日にちが決まっていたが今回は社長の部屋ということですぐに処理してくれた。