履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜

「ここのたこ焼き大好き!ふうふう」

パクっと美味しそうにたこ焼きを食べる万珠。

万珠の口の周りについたかつお節を慧介は取ってあげていた。

万珠もまたティッシュで慧介の口の周りを拭いている。

その様子をある社員が見ていたとは2人はこの時は思わなかった。

「万珠?と社長……」

慧介の少し小さめのスーツケースをトランクに積み、万珠のカバンは慧介が持ちタクシーに乗り込んだ。

「ランチは商業施設で取ろう、客層がみたい」

「はい」

ランチを終えると担当者と会い、売り場を視察した。

cuteはショッピングモールに店舗をだしていることが多く、年齢層は若者がターゲットだ。

関東近辺では単独店舗も多いが地方進出はまだこれからの課題である。

万珠は社長の後ろに立ち、メモを取っている。

社長は担当者と握手をして、2人は商業施設からタクシーに乗った。

新大阪駅の近くに戻り、慧介が泊まるホテルにチェックインをして万珠はロビーで待っていることに…

荷物を置くとすぐに降りてきてくれて予約していた懐石料理の店に行く。

「お疲れ様」

「お疲れ様です」

「初めての出張は疲れただろう」

「正直に言うと疲れました(笑)」

「だろうな(笑)俺でも初めて会う人は緊張するもんだしな」

「そうなの?」

「もちろんだ」

「でもモデルも初めて会う人多いでしょ?」

「そうだがモデルは楽しいから続けてるからなぁ、社員の事を考えなくていいしな、正直この6年で順調に行き過ぎて最近怖い時がある」

「それで寝れないの?」

「ん?俺そんな事話したっけ」

「三浦さんから少しだけ…」

「あぁ…眠れるが浅いんだ、物音でも起きちまう」

「繊細なんですね」

万珠は烏龍茶を口にした。

今日は実家に帰るのでお酒はやめておくことに…社長も飲まずに万珠に合わせてくれている。
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