履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜
「ごめん…」
「わかった、食べよ!」
「うん」
慧くんが小さく感じた。
いつも堂々としていて、若いのに社長として頑張ってるのに、今は少し子供のようで…
でもこういう姿を見せるのは万珠にだけかなぁ、それだったらちょっぴり嬉しいけど。
食事が終わるとタクシーを呼んでもらい万珠だけ乗せた。
「明日な、ゆっくり実家で休めよ」
「はい、ご馳走様でした」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
タクシーで去る万珠を慧介はじっと見ていた。
万珠が玄関を入り、リビングに行くとパパとママが居て…
「ただいま〜」
「おかえり」
「着替えてくるね」
万珠の部屋は大学で上京したときのままだ。
着替えを済ますとリビングのソファに座った。
「仕事は慣れたんか?」
「うーん、まだかな、新人研修が終わって配属されたばかり」
「何の仕事?」
「社長秘書」
「万珠が?」
「うん、びっくりしたよ万珠も(笑)」
「いつでも戻ってきてもいいんやで、なんなら結婚してもいい、相手も探してやる」
「パパ、まだ22歳だよ、早いよ」
「跡継ぎは早めに決めたい」
「楓珠(ふうじゅ)がいずれ戻ってくるって言ったんでしょ?だから万珠の就職もOKしてくれたじゃない」
「そうなんだが…何も連絡をよこさんから」
「ママも焦ることないってパパにいよんやけどな」
「そうだよ」
「万珠、さっきスーツ着とったやん」
「今日は仕事やった、初めての出張」
「1人でか?」
「まさか、社長と一緒だよ(笑)」
「cuteの社長はお坊ちゃんやんな、若いのにほんまに仕事できるんか?」
「どういう事?」
万珠は顔を曇らせた。