履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜
朝、1階で家族の生活音が聞こえる。
あ〜、実家だ。
スマホを開くと社長からおはようとLINEが入っていた。
おはようございますと返信すると、今日楽しみにしてるとワクワクというスタンプが送られてきた。
「フフッ、子供みたい、可愛い」
うーんと背伸びをして、服を着替え、洗面所で顔を洗った。
ダイニングに行きママと朝食を食べる。
パパはさっき仕事に出かけたそうだ。
クロワッサンを食べながらママは言った。
「あまりパパの言うことは気にせんでね、だから楓珠も帰ってきたくないんだと思うんよ、楓珠は休学して海外をフラフラしてるからさ心配もあるんよな」
「ママ…」
「今どき子供が会社を継がなくちゃって時代でもないんよ、どこも後継者不足なんよ」
双子の弟の楓珠が海外にいるから万珠が卒業のタイミングで芦屋に戻ってこいと言われた事を思い出していた。
その後楓珠から連絡があり、今は自由にさせて欲しいと言ったから万珠も実家に帰らなくてもいい事になったのだが…
パパは不安なんだろうな。
「もう少し東京で頑張りたい…」
「ん、わかった」
「ねぇ、ママ、どこかおすすめの場所はない?社長を案内したくて」
「何時間くらい?」
「夕方の新幹線で帰る」
2人はスマホで検索して人気のスポットを調べた。
またねとママと別れて社長の泊まっているホテルに到着した。
社長に電話をすると2度寝をしていて今起きたばかりだと言う。
部屋番号を教えてもらい部屋をノックした。
ドアが開いて手を引っ張られる。
「おはよう、万珠」
「びっくりした(笑)」
「朝食は?」
「食べた」
「じゃあすぐ支度するな」
「はい」
万珠は部屋のカーテンを開けた。
いい天気だ。