履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜
商業施設の大まかな配置を社長が手書きで書いてあった。
「おはようございます」
万珠は社長に挨拶をした。
「おはよう、早速だが見てくれ」
空き店舗の場所にcuteと書いてあった。
「階層的には、女性服、下着、鞄などで申し分はないが…」
「場所ですね」と三浦が言った。
「そうなんだよ、エレベーターから遠いのとエスカレーターからも遠いんだ」
万珠はうんうんと頷いていた。
「問題はだ!有名雑貨店が同じフロアにあることなんだ」
「なんと!」
「白鳥はどう思った?」
「いいんですか?新人の私の意見なんて」
「新人は関係ない、1人の女性としての意見だ」
「エスカレーター降りたら右へ、エレベーターを降りたら左へ行くような動線になってると思いました、圧倒的にエスカレーターの利用が多くてcuteの場所は左手奥です、だからお客様はその雑貨屋さんに先に立ち寄るかと」
「だよなあ、雑貨屋だがコスメもあるからそこで買っちゃいそうだ、白鳥も思ったか」
「はい、私も多分そこで止まると思います、同じプチプラコスメですからね、最近韓国コスメも導入してます、私はスキンケアは韓国コスメを使ってるので実は利用してます」
「はっきり言うなぁ(笑)」
「…すみません」
「じゃあcuteを知っている人じゃないと直接来ないのでは?」
三浦が言った。
「そうなんだよ、担当者はうちの商品の伸びしろを知ってるからテナントに入って欲しいみたいだったけどな」
社長はソファにもたれて腕を組み、天井を見上げた。
視察の次の日は仕事の事はほとんど話さなかったけど、やっぱり社長の頭の中は仕事でいっぱいだ…
「白鳥さん、下に降りてていいですよ」
三浦さんにそう言われて万珠は席に戻った。