履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜
「社長」
「何だ」
「例の件が決まれば…何とかなるんじゃ」
「そうだよなぁ…うーん、待ってもらえるならだけどな」
「ですね」
金曜日になり、万珠は定時で帰らせてもらった。
会社近くのコーヒーショップで貴明に連絡をして軽く食事をしているとやって来た。
「万珠、早かったな」
「定時で帰れたからね」
「今日の撮影内容って聞いてるか?」
「ウェディングフォトの広告でしょ、違うの?」
「いや、合ってる、ただ俺らでいいんかなって思ってさ」
「あー、若すぎるって事?」
「そう」
「ダメなら事務所が判断してるでしょ」
貴明は氷の入ったアイスコーヒーのストローをグルグル回している。
「なあ、万珠って結婚願望あんの?」
「うーん…」
万珠は頭の中に慧介が浮かんでいた。
「…無くはないけど、まだ22だしね」
「じゃああるんだ」
「まあ…」
「万珠ってさ、男に興味無いんだと思ってた」
「何故?」
「食事に誘ってもそれから先がないからさ」
「食事に行ってるのにその先って何するの?」
万珠は軽く首を傾けて聞く。
天然でこんな可愛い仕草をするんだよな〜と貴明はじっと見ていた。
「カフェ行ったり、BAR行ったり、ホテルに行ったりとかさ」
「貴明は友達と食事に行ったらそういう事してるんだ」
「いつもじゃないよ、お互い遊びたい気持ちがあれば」
「万珠は気持ちはない」
「彼氏いんの?」
「彼氏いたら2人で食事はしない、そういう事したいなら万珠を誘わなきゃいいじゃん」
「万珠って不思議と誘いたくなるんだよな、結構俺万珠の事気になってるけどな、だから軽く手を出せないというか…」
「それならそれでいいんじゃないの?万珠は気が乗らなかったら断るし」
貴明は考えていた。
「そうなんだけど…時間だから行くか」
万珠はコーヒーを飲み干して席を立った。