履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜

「社長」

「何だ」

「例の件が決まれば…何とかなるんじゃ」

「そうだよなぁ…うーん、待ってもらえるならだけどな」

「ですね」



金曜日になり、万珠は定時で帰らせてもらった。

会社近くのコーヒーショップで貴明に連絡をして軽く食事をしているとやって来た。

「万珠、早かったな」

「定時で帰れたからね」

「今日の撮影内容って聞いてるか?」

「ウェディングフォトの広告でしょ、違うの?」

「いや、合ってる、ただ俺らでいいんかなって思ってさ」

「あー、若すぎるって事?」

「そう」

「ダメなら事務所が判断してるでしょ」

貴明は氷の入ったアイスコーヒーのストローをグルグル回している。

「なあ、万珠って結婚願望あんの?」

「うーん…」

万珠は頭の中に慧介が浮かんでいた。

「…無くはないけど、まだ22だしね」

「じゃああるんだ」

「まあ…」

「万珠ってさ、男に興味無いんだと思ってた」

「何故?」

「食事に誘ってもそれから先がないからさ」

「食事に行ってるのにその先って何するの?」

万珠は軽く首を傾けて聞く。

天然でこんな可愛い仕草をするんだよな〜と貴明はじっと見ていた。

「カフェ行ったり、BAR行ったり、ホテルに行ったりとかさ」

「貴明は友達と食事に行ったらそういう事してるんだ」

「いつもじゃないよ、お互い遊びたい気持ちがあれば」

「万珠は気持ちはない」

「彼氏いんの?」

「彼氏いたら2人で食事はしない、そういう事したいなら万珠を誘わなきゃいいじゃん」

「万珠って不思議と誘いたくなるんだよな、結構俺万珠の事気になってるけどな、だから軽く手を出せないというか…」

「それならそれでいいんじゃないの?万珠は気が乗らなかったら断るし」

貴明は考えていた。

「そうなんだけど…時間だから行くか」

万珠はコーヒーを飲み干して席を立った。
< 49 / 158 >

この作品をシェア

pagetop