履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜
午後から社長と一緒に万珠は営業部へ行った。
まだ生島も席にいて、万珠と目が合うと万珠が手を振っていた。
「生島くん、化粧品のサンプルを少しいただきたくて…」
「ああ、こっちに…」
生島は席を立ってサンプルが置いてある奥へ案内した。
「社長、こっちこっち」
「走るな」
「はい(笑)」
生島から説明を受け、化粧品のサンプルをもらう。
「生島くん、アイシャドウとかのサンプルもある?」
「あるよ」
少し小さいダンボールから小さなサンプルを渡された。
「社長、これで足ります?」
「俺にはさっぱりわからないが、なければ作ればいい、そのセット自体をだ」
「なるほど」
「戻るぞ」
「はい、生島くんありがとう」
「うん」
生島くんは社長に頭を下げていた。
社長に何であんなに軽く接する事が出来るんだ、万珠はやっぱり社長と…いやでもまだ配属から1ヶ月も経ってない…元々の知り合いとか、ならあの男が本命?
生島は実家が大阪で万珠と社長を見かけたのも、貴明とコーヒーショップから出てきた時に見かけたのも生島だったのだ。
「あれで遊んでないとか言われても信じられない…」
いつもニコニコ話してくれる万珠の事は生島も気になり始めていた。
思い切って幹事に誘ったのに断られた。
社長とも仲良く接していたし、あれが万珠の自然の行動なのかまだわからない。
サンプルを持って階段を降りていた万珠は慧介に昼に同期会の幹事を一緒にしてくれないかと頼まれた事を話した。
「あいつも万珠の事が好きなのか…全く万珠はモテるな〜」
「しーっ、だめだよ会社で万珠って言ったら…」
「誰もいないだろ?俺だって周りは見てる」
「もう〜(笑)でも出張あるから断った」
「正解だ」
「万珠ね、遊んでると思われてる、可愛いからだって(笑)ちょっと嬉しかった、えへっ」
「可愛いのは仕方ない、生島も見る目はあるな、だが俺には敵わないさ」
「ふふっ、かっこいい〜」
2人は社長室に入っていった。