履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜
「お疲れ様です」
万珠から声をかける。
「お疲れ様です」
佐川さんは頭を下げて通り過ぎてしまった。
時々総務課から聞こえてくる笑い声がたまに羨ましく思う万珠であった。
どうやらフリースペースに置いてある自販機に来たようで、佐川さんが通り過ぎたと思ったら引き返してきて隣に座った。
「これ、どうぞ」
小さなクッキーだった。
「ありがとう、いいの?」
「うん、先輩のお土産で何個かいただいたの、秘書課にも配ればいいのにと思ったんだけど自分のお土産じゃないし…白鳥さんはフロアのみんなにお土産渡してたのになってちょっとモヤモヤしてたんだ、内緒ね」
「うん、嬉しい…へへっ」
万珠は嬉しそうに照れ笑いをした。
「いつもここで食べてるの?」
「うん」
「今度同期会があるの知ってる?」
「するのは知ってるけど日程は聞いてない、決まったの?」
「私もまだ正式には連絡は来てないんだけど」
そっか…生島くんにも避けられちゃったかな
「万珠、来月出張なの、生島くんには話したんだけど…万珠の都合だけで日程は決められないから佐川さんは楽しんできてね」
ニコッと万珠は笑った。
「出張って知っててその日にしたんなら私も行くのやめようかな〜」
「それはわからないよ、10人もいるんだし、その日が人が多く集まるならそれは楽しんでよ」
「考えとく、じゃあ」
佐川さんは立ち上がった。
「ありがとうね〜」と万珠は手をフリフリして笑った。
「仕方ない事は仕方ない、うん、また機会はある」
佐川さんからもらったクッキーを開けて口に放り込んだ。
「美味し!」
食べ終わると席に戻り、社長室に行ってみた。
ノックをすると返事があり万珠は部屋に入る。