履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜

「白鳥さんの席はこちらです」

秘書課には1人の女性が座っていて、万珠が入ると立ち上がり

「安達百合香(あだちゆりか)です、よろしくお願いします」

「白鳥万珠です、よろしくお願いします」

綺麗な人…スタイルも抜群、ポロシャツの下は黒のスラックスにローヒール、髪は後ろに1つに束ねられている。


万珠は案内された席に座った。

「あの…秘書課は3人なんですか?」

万珠は三浦さんに聞いた。

「はい、私が社長秘書で、安達さんが副社長の秘書です」

「何故私が秘書課なんでしょう、佐川さんが秘書検定持ってると言ってて…」

「知ってます、が、理由は言えません」

「そうですよね、すみません、秘書課が嫌とかじゃなくて…」

「ふふっ、佐川さんにきっと聞かれたのね」

「…すみません」

万珠は椅子に座った。

「私は社長室に行ってきますので、安達さんにパソコンの使い方などを聞いてください」

「はい」

そう言うとさっきの入口とは違うドアから出ていった。

三浦はノックをして社長室に入ると

「恭汰さん、来月もう1回海外出張入れて欲しい、きつい?6月がいいかな」

「そうですね、6月が良いかと、日程は?」

「恭汰さんにまかす(笑)」

「そろそろ自分の意思を持ってください」

三浦恭汰(みうらきょうた)は穏やかな性格で緑川社長が最も信頼をおける秘書だ。

緑川慧介の父親の会社から引き抜かれてきた人材で年齢は30歳、慧介が兄のように慕っている。

慧介の父親はTu es belle(トゥ・エ・ベル)というデパートコスメの会社の社長だ。

三浦が大学を卒業して秘書課に配属になり、慧介がcuteを立ち上げた時に慧介の秘書として父親が三浦を紹介した。

慧介には兄がいて父親の会社は兄が継ぐことになっているが、デパコスのような高級コスメではなく大学生でも気軽に買えるプチプラコスメを立ち上げたかったのだ。

父親も賛成してくれて起業のアドバイスをもらい、20歳で㈱cuteを起業した。
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