履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜

三浦の電話が鳴り万珠と一緒に第1会議室に行く事に…

2人は席を立って総務部脇を通りエレベーターへ向かう。

エレベーターが来るのを待つ間、万珠は鼻をすすり、指で目元を押さえていた。

「大丈夫ですか?安達さんも悪気があるわけでは…」

「大丈夫です、安達さんのせいじゃないです、自分に腹が立ってるんです、午前中にお客様の事を聞いておけばよかったんです…すみません、早めの行動をします」

7階には小会議室がたくさんある。

エレベーターを降りると万珠は大きく深呼吸をした。

第1会議室には電気がついていて三浦さんの後に万珠は入っていった。

名刺を渡して挨拶をする。

奥には着物を着た女性が座っていて、名刺は交換はしなかった。

着物のご婦人は三浦さんの前に座っていて「久しぶりね」と言っていた。

「お久しぶりです、奥様…白鳥さん、こちら社長のお母様の緑川夏津(みどりかわなつ)さんです」

「社長のお母様?あっ、今年入社しました白鳥万珠と申します」

「今日は彼女を紹介しにきただけだから」

どうやらフランス出張の為に通訳を探していたらしい。

入社式の時も実は社長はフランスにいてなんとか英語で通じたのだが、細かい所が伝わりづらく、今回の出張では通訳をつけることにしたと三浦さんが教えてくれたのだ。

「彼女、椿(つばき)さんのご主人はフランス人なのよ」

奥様と三浦さんと万珠は社長達と少し離れて座っている。

社長は資料を見せて細部の説明をしている。

しばらくすると椿さんと握手をして話は終わったようだ。

「白鳥さん、社長室でお茶の準備をお願いします」

「はい、お先に失礼します」

万珠は先に第1会議室を出た。

先に戻りお抹茶の準備をする。

お菓子も3人分並べた。

社長室には社長と来客の2人がやってきて、三浦さんはいなかった。

手際よく抹茶を入れて万珠は2人の前に出す。
< 85 / 158 >

この作品をシェア

pagetop