履歴書からの一目惚れ〜若き社長は小悪魔メイクがお気に入り〜

「ふぅ…緊張した」

「母さん、喜んでた、ありがとうな」

「お菓子も残っているから安達さんと三浦さんにお茶も飲んでもらってもいいですか?」

「あぁ、いいぞ、俺の羊羹も余ってる、万珠も食べろ」

「やったぁ(笑)」


社長の後に万珠も階段で3階に上がっていき、抹茶茶碗とお菓子を安達さんと三浦さんに「どうぞ」と机に置いた。


「総務に怒られるのですぐに飲んでください(笑)」

「美味しい」

安達さんは目をパチクリとさせていた。

「良かった」

「私もどっちかといえば苦手だったんですが、飲めますね」

三浦さんも飲めたみたいだ。

お盆に茶碗を戻すと万珠はまた3階へ片付けに行った。

茶碗を洗っていると社長のスマホが鳴った。

「はい、今日?」

万珠は今日と聞こえてしまった。

「今日は白鳥とメシ食いに行こうかと」

えっ?慧くんは誰に何を言ってるの?

万珠は洗い物を終え、手を拭いていた。

「あー、わかった、わかった、連れて行くから、もう少し待ってて」

万珠はじーっと慧介を見ている。

「万珠」

「はい」

「予定変更だ、定時に上がって俺の実家に行く」

「へっ?実家?」

「電話は母さんだった、家に帰ったらチビが嘔吐していたらしい、動物病院に連れて行ってくれだとさ」

「万珠、待っとくよ」

「連れて来いって」

「でも、いいの?万珠何も出来ないけど」

「人がいれば母さんも落ち着くだろう、もう高齢犬なんだよ」

「チビなのに?」

「そうなんだよ、兄貴がつけたんだ(笑)」

「慧くんのスマホのカバーの犬だよね?」

「そうだけど、これはまだ若い時の写真なんだ、片付け終わったか?」

「はい」

「駐車場にいるから着替えたら来いよな」

「はい」

万珠は社長室を出て自分の席に戻った。
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