極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う


 遠くから足音と共に人を呼ぶ声がし、美貌の少年は気が逸れた瞬間に走り出す。
 追うか迷う間に、見覚えのある人物が姿を現し私は思わず仰天した。

「……アルベール様⁉」
「……シーリか。ここで会えるとは思わなかった。元気そうでなによりだ」

 現れた彼はいつも通りの穏やかな表情だったが、そこにほんのりと哀愁が乗るのは気のせいか。だけど彼がなぜここに……?

「ちょっとした用事でね、特例で聖女会からも大聖殿へ入場する許可はもらっている。ほら……君たちのとは違うけど」

 疑問を察した彼が指差す白い隊服の上――聖女のものとは異なるサンホワイトの紋章が輝く。加工の仕方が違うのか、パールめいた虹色の輝きが美しい。

「ここに金髪の少年が居たと思うけど……あっちに逃げたか」
「えっ、どうして分かったんです?」

 少年の姿も目にしていないのに。分かれ道の内、逃げていった方を正確に指差すアルベール様。
 私がそれに驚くと、彼は困ったような笑みを浮かべてこう説明した。
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