極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 聖都に来てから思う他たくさんの人によくしてもらい、猜疑心が弱まってしまった弊害か。それは歓迎すべきと同時に、私にとって恐ろしいことでもある。

 無条件に人を信用してはならない。いざという時、自分を守れるのは自分だけ。
 繰り返しそれを肝に命じつつ……触れられた時間近に感じた香りと、大きな手の感触を思い出さずにはいられなくて。

「あ、シーリお帰り~。ん~……どうかしたの?」
「なんでもない」

 部屋に戻ると、用事を済ませたポピアがベッドにごろんと転がっていた。
 火照った顔を見られまいと、私は窓を開け風に当たる。

 ――家族が居なかったから、経験不足でちょっと刺さっただけよ。

 そう思いつつ、サイドテーブルにあった水差しでハンカチを濡らし、額に当てる。けど――。

(思ったより子供なんだな、私って)

 嬉しいような、逃げ出したくなるような――そんな気持ちは中々消えてくれず。

 私はそっと、溜め息を都会の喧騒に隠した。
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