極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「元気に育つんだよ~」

 そっと鉢のふちに触れ、生命の鼓動を感じるように目を瞑ると、今度こそ私は扉から外へ出る――。



 しかし、大聖堂を出発した後でも、なんだか自分の身なりがやけに気になってしまう。

(どーも落ち着かない。服も化粧もポピアにお墨付きをもらったし、間違いないと思うんだけどな~)

 思えばこれまで、男性とふたりきりで出掛けるようなことをした記憶は皆無。
 特に前世じゃ、親無しの地味な小娘のプライベートに介入してくる奇特な人なんて、いなかったし。

 胸に手を当てると、今さら怖気づいてしまってることに気付く。
 アルベール様にとって、私が単なる保護対象にしか過ぎないと分かってはいるのだけど。聖都まで気楽に旅してきた時の自分が羨ましい……。

 でもまあ、これも乗り越えるべき人生経験のひとつ。割り切った私は深呼吸をすると、待ち合わせ場所へと急いだ。
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