極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「これで終わり? あなたも同じ目に遭いたくなかったら、武器を下げて」
「へえ、さすが聖女……」

 あえて強気で赤毛の女性を威圧。
 聖女としての訓練のおかげで、奇跡の腕前も随分上がってきている。成長を実感する私を前に……赤毛の女性は口の端を上げナイフを握り直した。

「そんな刃物、奇跡でどうとだって防げる。今回だけは見逃してあげるから、もう私の前に姿を現さないで」
「そういうわけにもいかないね。痛い目に遭うのは嫌だけど、これも命令だ。お前たち、やるぞ!」

 自滅覚悟での突撃を予想すると、私はすぐに奇跡を放てるよう身構えた。
 だが彼女は、あろうことか刃先を自らの顔に向け――。

「――うぐっ!」
「――なっ⁉」

 なんと、自らの頬を横一文字に切り裂いた。
 血が噴き出し地面を濡らすが、そこで終わらず彼女は、腕や足……体のあちこちを突き刺していく。気付けば他のならず者も、手が動く者は次々と自傷し、あちこちから呻き声が上がった。
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