極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「くすくす。見てよあの女の人、へんてこな髪の色。お婆ちゃんみたい」
「笑っちゃ失礼よ、あはは」
(ちぇ、いいですねぇ。裕福なお嬢様たちはさぁ)

 失礼な苦笑を漏らしつつ目の前を綺麗な女の子たちが通り過がる。
 腹は立つけどまあ、悪口陰口は前世で耐性を詰んだからたいして効かない。気にしても仕方ないし事実、今の私の髪ったら白髪に幾房か黒髪が混じった、ゼブラでヘンな見た目なのだ。

 しかも黒髪部分はいくら切ろうがすぐに元通り。困りものだけど隠そうにも染粉やカツラなんてゼータク品そもそも買えないし。

 でも他の顔立ちなんかについてはまあまあ悪くない。
 貧しい生活でやや人相がヒネたかもしれないけど、切れ長の黒瞳にバランスの取れた各パーツ。ここは私に身体を明け渡してくれた元の主に大いに感謝すべきところだろう。

 そりゃね、当時は他人の身体を奪ってしまったことに収まりが悪く悩みもした。
 でも嘆いてても、あの時消えた赤ちゃんの魂が帰ってくるわけじゃなし。与えられた二度目の生を精一杯生きようと決めたんだ。

 だからこそ、そうするためにも元の身体の主へのけじめをきちんとつけないと――今はそう思ってる。
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