極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「そのお人好しなやり方が、どこまで通用するか見物だけど……せいぜい利用させてもらうよ」

 まだ彼女達も、恵まれた私たちに対しての不信感が払拭されたわけではないんだと思う。

 でも、私だって孤児であった頃のことは忘れていない。
 貧しいのは確かに苦しい。けど、慎ましい生活の中でも自分を認めてくれる人たちと暮らせる場所さえあれば、きっとすべてが不幸じゃない。

(そんな場所を、ここに作りたいな。ん……あの傷は?)

 床の強度を確かめようとかがんだラトラさんの鎖骨あたりに、妙な傷跡が。赤黒く……十字の四方が折り砕かれたような。

 そういえば彼女ったら、ほっぺたのナイフでざっくりいった傷を治さなかったんだよね。何でも、自分への戒めのために残したいんだってさ。それと同じようなものなのか……なかなか頑固なところがある彼女に、再三の治療を申し出ようとした時――。

「シーリ~! こっちも終わったから、一緒に帰ろ! ――あーっ、悪者!」

 別の場所で仕事していたポピアが、私の居場所を嗅ぎ付けて室内に駆け込んできた。彼女はラトラさんを見るなり私を自分の方へと引っ張ると、ぐるっと唸りをあげた。
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