極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「…………(ぎろっ)」
(――っ! やばっ、一瞬目が合っちゃった)

 ちらちら視線をやっていると――黒い三角帽子の女性たちの脇に控えた、これまた真っ黒な軍服を纏う男性がこちらを向く。

 彼は険のある黒瞳を見開き、私を凝視してくる。気分を害させたのかと、すぐに目線を床へ向けた。

(ふ~、怖かった)

 しばらくそのままでいたが……何事もなく、ほっと息を吐き出す。

 あの一角に再度顔を向ける気にはなれない……。でもなぜだか、今は恐れとは違う感情が胸に湧き、自然と指先が頭に付けた髪留めに触れた。日本で見慣れていた黒髪に親近感でも覚えたのだろうか。

「ねえ、ポピア。魔帝国って――」
「あっ、始まるよ!」

 しかし、そんな疑問ははしゃいだ声に掻き消され。
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