極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「確定的なものではなく、色々制約も多いらしいわ。力を使うと、彼女が知りたいと願った時期での、ある場面が頭に浮かび……分岐先の未来がいくつか見えるというの。その奇跡で得た情報により、私たちはあなたのことを知り、アルベール様に探しに行ってもらった。あの日、聖王国の未来を左右する重要な聖女が生まれるはずだからって」
「人探しは得意だから。マール様に教わった特徴を聞いたら、近くまで行けばすぐにわかったよ」

 嬉しそうなルイーゼ様に、相槌を打つアルベール様。しかし、彼らの視線を私は真っ直ぐに見返すことができない。

「ご……ご存じでしょうけど、私の奇跡ってそんなたいした物じゃないんです。“紙”、ですよ? そんなものが、王国の未来を左右するだなんて――」

 それこそさっきの予言みたいな、もっとすごい力がいくらでもあるはず……。
 実力と大きく隔たった評価に居心地が悪く、なんとも言えない気分で黙り込むうちに三階へと到着する。

 ルイーゼ様はそんな私に特に気を悪くした様子もなく、昇降台から降り立った。

 向かうのは白薔薇以上の聖女しか住むことを許されない区画の奥。この辺りになると、私たち聖女であっても軽々しく出入りすることができない場所だ。
< 215 / 840 >

この作品をシェア

pagetop