極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 最奥に辿り着くと、驚くことに存在を知らされていないひとつの階段があった。
 そこは上下に通じ、さらに上層があったとは知らなかった私は目を見張る。

「構いませんね? アルベール様、殿下。シーリを封書室の中に入れても」
「ええ。僕は彼女に期待します」
「勝手にしろ。どうせ、何も変わらない」

 対照的なふたりの許可を受け、ルイーゼ様は上り階段の先へ。

 いったい、封書室とは――?
 何も知らされずに同行し、疑問ばかりが膨れ上がっていく私の前に現れたのは、ひとつの重厚な扉だった。

 大聖殿にはそぐわない、鋼板を何枚も貼り付けたかのような堅固な表面。
 そこに描かれた複雑な幾何学模様の中心には、見たことないサイズの宝玉――おそらくサンホワイトの大物が、ぼんやりと浮かび上がる。

 それはルイーゼ様が触れると虹色に煌き、反射光で彼女の身体を照らしながら模様を伝い光を走らせてゆく。
 やがてそれが全体に行き渡ると、石が擦れるような重い音がして、ひとりでに扉が開いていった。
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