極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う


「待ってください!」
「しつこいっ!」

 一生懸命追うも殿下は意外と身軽で、飛ぶように三階、二階と階段を駆け降りていく。

 私は何も知らない部外者だけど、泣いている子どもを放ってはおけない。何より、ちゃんとした事情を知りたいのに……この機会を逃せば彼とまた会える保証なんてないんだ。

「止まってください!」
「付いて来るな!」

 ダメだ。足は彼の方が早く、こうしていても追い付ける気がしない。
 階段を駆け降りる彼の背中がだんだん遠ざかり、このままじゃ、見失う――。

(ええい、どうとでもなれっ! 現役聖女を舐めないでよ!)

 私は恐怖を押し殺して手すりからジャンプ。
 螺旋階段の中心の空隙に飛び込むと、急速な落下感が身体を襲った。
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