極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

◇幕間 王国連議会(ジーレット侯爵視点)

 聖女会の中間表彰式から三日。
 我が娘アンジェリカがめでたく次の階級に昇ったという知らせが届いた、その午後。

「なりません、この男の甘言に乗っては!」

 聖王国ランシルエルトの王宮内議会場では、鋭い声の応酬が響いていた――。

「大聖女制度を復活させるなどもっての他! 国王様、懸命なご判断を……あれが、過去どんな悲劇を招いたかご存じでしょう!」
「いや、失敗とは乗り越えるためにある! 長き歴史により聖王国が洗練の境地に至った今こそ、過去を払拭し大いなる栄光を掴む時! 国王と大聖女による二本柱が国の礎となれば、今に倍する勢いでランシルエルトは覇道を突き進める! 我が国と同等とされし魔帝国より抜きんでる時は、今しかないっ!」

 対面では、短い緑髪の聖女――“知”を司る金盞花の乙女マールが激しい反対意見を申し立てている。

 そしてそれと意見を戦わすのが、この私。
 四十代で国王の側近という立場を確かなものとした大侯爵、ベレニュス・ジーレットだ。
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