極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 対立する私たちの意見を耳にし、聖王国の国王――ガルベ・ソラス・ランシルエルトは深い溜め息を吐く。愛する王妃が長年臥せっていることの心労もあってか、その顔色はどうも優れない。

「双方の言い分はわかった。大聖女制度復活の提案に関しては検討の上、次の議会までには答えを出そう。しばし待つが良い」

 この期に及んでも、慎重派のガルベ国王は制度の復活を決定しなかった。
 しかし……極秘裏に掴んだ情報によれば、王妃はもはやいつ身罷ろうとおかしくはない。となれば、もはや制度の復活は時間の問題。私は余裕の表情で口角を引き上げ、会議の閉幕を見届ける。

「くっ……」
(ふん。その様子だと打てる手立ては限られているようだな。せいぜい足掻いて醜態をさらすがいい)

 知の乙女マールは、私を強く睨みつけると早々に議場を後にしていった。
 制度復活賛成派を見極め、牽制するつもりなのだろうが、そう簡単に事を進ませるつもりはない。私の目算で国王は九割がた、制度の復活を決断するだろう。
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