極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
『お前がこれからいずれの道を選択するかは、正直私にもわからない。ある未来では国をも滅ぼす悪女となり、ある未来では多くの人を救う指折りの聖女となった。そんな不安定なやつに国の命運を賭けるのは抵抗がある……が、もうお前に託すしか未来を残す術はないのだ。私の知る限り、それ以外の可能性は途絶えてしまったからな』

 そして彼女は、重たい責任を押し付けられてどんよりする私に、悔しさと悲しみの入り混じる顔で言い添えた。
 本当はかつてもうひとりだけ、次の世界を担うべき聖女がいたのだと――。



「……入るぞ。ぼさっとするな」
「あ、はい」

 気になる言葉を思い返してぼんやりしていたせいで、マール様に叱られてしまう。

(『次の世界を担うべき聖女』、か……)

 マール様の口ぶりでは、やはり私などではなく、聖王国の未来を託すに足る存在がいたみたいだ。その人は、一体今どこでどうしているのだろう。
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