極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 “魔物”――その言葉に悲鳴が堂内を満たし……選別に来ていた少女たちが我先にと逃げ出してゆく。
 どうして……いきなりこんな辺境なんかに⁉



 『魔物』と聞いて、前世にいた頃の私だったら、真っ先に異形の怪物の姿を想像しただろう。

 けれど、この世界の魔物はゲームやアニメでお馴染みのゴブリンだのドラゴンだのじゃない。形ある存在とは違った不定形の化け物。実際に見たことはないけど、いつか誰かが言ってたのを聞いた……腐った油と水飴を混ぜたようなやつだったって。

 ともかく一度姿を現すと、身体であらゆる物質を呑み込み消滅させてしまう。物理攻撃は効果はなく、一定量の物質を呑み込むごとに、どんどん大きくなっていくんだとか。

 確か効果があるのは、聖女の持つとされる聖なる力だけ――。

「聖なる……っ! アミはここにいて!」
「シーねえ⁉」

 私は咄嗟に目に入った聖杖をシスターからぶんどると、アミを残してその場を駆けだす。
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