極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「“奇跡”の有無……」

 彼は無言でうなずく。

 前にデュリス殿下から奇跡が扱えることは聞いていたけど――。
 驚くけばいいのか慰めたらいいのか、迷う私に彼は、まるで物語を聞かせるかのようにゆっくりと事情を話す。

「奇跡を扱える唯一の男子。聖王国の歴代の王はその力を示すことで臣下の支持を得て来た。でも僕は、母からその力を受け継ぐことはできなかった」

 羨むように私の手を握りしめた後、彼の手はだらりとしなだれ元の位置に戻る。

「そして、本来第二子であったデュリスに母親と同じ奇跡が発現したんだ。僕の存在はそれまで国王の命でずっと秘され、物心ついたころデュリスが第一子として発表された。それを期に母の遠縁の実家で育てられていた僕も、宮廷に呼び戻されることになった」
「そんな……。じゃあ、国の命令で騎士団のまとめ役や、殿下のお守りをやらされてるってことですか?」

 ちょっと勝手すぎないかと、私は憤りを覚えた。王様の子か不明だからと今まで遠くに追いやっておいて、跡継ぎが決まったから今度はその手伝いのために城に呼び戻す?
 私が他の世界から来た人間だから思うのかも知れないけど、他人の人生を何だと思ってるんだ……。
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