極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
でも彼は小さく首を振ると、私を宥めてみせた。
「怒ってくれてありがとう。でも違うんだ……聖騎士団入りはあくまで僕が志願した。一貴族として、胃が痛くなるような政権の奪い合いに手を出すよりかは余程健全だったし。それに母から受けついだ聖力を無駄にしたくはなかったからね。騎士団に籍をおけば、まだ小さい弟を将来自分の手で守ってやることができるかもって考えたんだ。でも……」
再び美しい星空を仰くと、彼は溜め息を宙に逃す。
「宮廷で暮らすうちに、力不足を痛感したよ。守るどころか、弟は僕よりもずっと優れた力を持っている。そしてそんな彼も、衰弱してゆく母の助けにはなってやれない。僕ができることは、せめてこのささやかな平和を波立たせず、維持してゆくことだけ……」
「……このことを、殿下は?」
「知っている。どれだけ秘密にしたって当人同士顔を合わせばわかってしまうものだね。彼は兄のくせに不甲斐ない僕を嫌ってる。それはそれでいいんだ……きっと」
アルベール様は夜空に向けていた顔を降ろし微笑んだ。だがその笑みはどこか寂しそうだ。彼の頑張りは、一番に理解してもらいたい人たちに伝わっていないから。
(この人も……家族だと認めてくれる人がいないまま、ずっと生きて来たのかな)
「怒ってくれてありがとう。でも違うんだ……聖騎士団入りはあくまで僕が志願した。一貴族として、胃が痛くなるような政権の奪い合いに手を出すよりかは余程健全だったし。それに母から受けついだ聖力を無駄にしたくはなかったからね。騎士団に籍をおけば、まだ小さい弟を将来自分の手で守ってやることができるかもって考えたんだ。でも……」
再び美しい星空を仰くと、彼は溜め息を宙に逃す。
「宮廷で暮らすうちに、力不足を痛感したよ。守るどころか、弟は僕よりもずっと優れた力を持っている。そしてそんな彼も、衰弱してゆく母の助けにはなってやれない。僕ができることは、せめてこのささやかな平和を波立たせず、維持してゆくことだけ……」
「……このことを、殿下は?」
「知っている。どれだけ秘密にしたって当人同士顔を合わせばわかってしまうものだね。彼は兄のくせに不甲斐ない僕を嫌ってる。それはそれでいいんだ……きっと」
アルベール様は夜空に向けていた顔を降ろし微笑んだ。だがその笑みはどこか寂しそうだ。彼の頑張りは、一番に理解してもらいたい人たちに伝わっていないから。
(この人も……家族だと認めてくれる人がいないまま、ずっと生きて来たのかな)