極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 優しい彼のことだ、母親のことで心にダメージを負っていないはずはない。それに……わざわざ自分の境遇を納得してるように言い聞かせるなんて、完全にどうにかしたいっていう気持ちの裏返しじゃない。

「私が殿下から、あなたをどう思ってるのか聞き出してあげます」
「――っ! それは……」

 彼はばっと顔を上げたが、視線はふらふらと彷徨う。でも今は自分のプライドなんかよりも――。

「卑怯だとか、格好悪いとか考えなくていいんです。大事なことは、あなたたちがちゃんと話し合える関係性に戻ること、でしょ?」

 母親の危機だというのに、彼らの兄弟らしい会話はまったくなかった。
 それでも実のところ、殿下がアルベール様を本当に嫌っているのかなんて、分からない。

 もし可能なら……ふたりが仲良く笑い合うところを、私も見たい。

「やって、くれるの?」
「ええ。任せてください。だから、これからあなたはもっと、自分のことを大事にしてください」
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