極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 タオルで顔を拭うと、いきなり現れたのがアルベール様の笑顔だったので卒倒しかけた。後ろにぐらついた私の手を引っ張って元に戻すと、彼はいきなり現れたわけを弁解する。

「ごめんごめん、預けたマントを返してもらおうと思って。指揮官がこれじゃ格好がつかないからね」

 なるほど、よく見れば背中が寂しい。
 それもそうだと私は慌ててテントに取って返し、畳んでおいたマントを彼に手渡す。

「すみませんでした。昨日は言いたい放題言って」
「いや……正直目が覚めたよ。これからは自重して、無理は控えることにする。ところで……」

 そこでやや口籠ると、彼は私に尋ねた。

「昨日のこと、本気にしてもいいのかい? 僕の個人的な悩みごとで、君を頼りにしていいのか、とか」

 確かに、昨日はずいぶん偉そうなことを言ってしまった。その本人が素直に頼ってくれた人の願いを突っぱねるわけにはいかない。言葉には責任を持たないとね。
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