極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 法具とは、聖杖のように聖女の力が少しだけ籠ったアイテムのこと。街にはこういう時のために魔物討伐用のものが配備され、通報次第警備兵が駆けつけるようになってる。騒ぎが起きたし誰かが知らせてくれただろうけど……助けを待ってたら、リオンたちが食べられちゃう!

「リオーン! 何してるの、ロロを連れて早く逃げなさい!」

 私は今すぐリオンに下がれと叫んだ。魔物に知能はないとされているけど、外部刺激には反応するみたいだし、あの子がクワで突っつきでもしたら……。

「姉さん⁉ 嫌だ、この野菜は皆で大切に育てたんだぞ! こんなやつほっといたら、俺たち、明日から水しか飲めなくなっちゃうよ! ほら、あっちいけ!」
「ダメだってば!」

 マズい……聞き分けのないリオンが魔物の身体にクワを触れさせた。
 それはじりじりと緩慢な動作で近づいてきた黒い体にずぶりと沈み込み。

「ひぃぃっ! やめろぉっ!」
「バカリオン! どいて!」
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