極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 それから執拗にアンジェリカは、私が息を荒げるまで何度も同じことを繰り返させた。
 やがて満足したのか、「もういいわ」と、手で合図し私を立ち上がらせる。

 ――こんなことくらいで、彼女に心が屈したりなんかしない。
 そう言い聞かせ、ポピアの元まで歩いていこうとした私の前を、数人の人影が塞いだ。メナと同じ黒ずくめの女たち。彼女の仲間か――?

「くく……は、あはははははは!」

 そこでアンジェリカはおかしくてたまらないというかのように哄笑し、身体を前に倒した。

「本気でその程度の謝罪で済むと思っていたわけ? 高貴な私を差し置いて金盞花の乙女たちに認められ、いい気になったお前を……私がどれだけ苦々しい思いで見てきたか!」

 アンジェリカは腕を振り払うと、狂ったように喚き散らす。

「ああ、腹立たしい……。貴族の血には、聖王国の歴史自体が詰まっているのよ! それをお前たちのような雑種が、小知恵を回し貶めようとするだなんて虫唾が走るっ! 人は、決められた分を弁えて生きていればいい! 泥は泥のまま床にへばりつき、一生輝ける宝石を見上げていればいいのよっ! 国が決めた秩序を、民が乱すな!」
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