極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 煽る様な事を言っておいてなんだが、アンジェリカの行動は行き過ぎだ。聖女にまで選ばれた人間が、こうも簡単に殺人に手を染めようとするものか。

 魔法を防ぎながら、私はアンジェリカの髪に、あるものが付いているのを発見する。

「私の髪飾り……! あなたが持っていたの⁉」
「ようやく気付いたわね? お前如きの下賤な持ち物、砕いて捨ててしまおうかと思ったけれど……これは私の力を引き出してくれた。聖女会を支配するに相応しい力をね」

 彼女はアピールするかのように黒い髪留めに触れた後、手を突き出した。彼女の得意とする、“灰”の奇跡が襲い来る。

「これが貴族と凡人の力の差よ! 思い知れ!」
「……きゃぁぁっ‼」

 アンジェリカが生み出した灰の槍は、私の紙の盾を簡単に破ってしまった。灰は火から生まれるもの、相性難……そんな言葉が頭に浮かび――隙間を縫った魔女たちの攻撃が身体を掠める。
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