極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「こんのっ!」
「ね、姉さんを……渡すもんか!」「んぎゅうぅっ」

 足元の柔い土が削れ、引き寄せられる私を子供たちがしがみついて止めてくれた。けど……魔物の引っ張る力の方がずっと強い。保たない……!

(く~! なんだって……いっつもこう理不尽な目にばっかり遭うかなあ!)

 目前の黒い魔物のでっぷりとした身体つきは、私をこれまで阻んだ不運を象徴するかのようで、恐怖よりも怒りが勝る。

 いつだって、運命は突然私たちを絶望のどん底へと突き落とす。生まれや事故、貧しい暮らし。今だって、いきなり魔物なんかに襲われて……。

 でも本当は、私自身に力があれば、乗り越えられたものもあったはず。

 腕力、知力、権力、人望……その他摩訶不思議な得体の知れない力でも。生まれつき何かがあれば、またはそれを手にできていたなら。私は違う人生を歩めていたのかも。
< 30 / 66 >

この作品をシェア

pagetop