極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「生憎だけど、契約外だね。君から頼まれた仕事は、リナ君がシーリを連れて来られなかった時の保険と、あくまで彼女をここから逃がさないようにすること……」

 恐怖で竦むアンジェリカを前に、後ろでは魔女メナのへらりと笑う気配がする。

「今のシーリは私たちにとっても脅威だよ。それから守って欲しいというのなら、追加契約を結ばせてもらう必要があるかなぁ。果たして、お嬢様のお小遣いで払い切れるものやら」
「い、いくらでも払う! 王妃になったら払うから! だからこいつを早くどうにかして!」
「生憎と、口約束は信用しなくてね」

 そんなやり取りを待ち、私でない私は嬲るようにじっと刃を近づけていく。そしてついに、アンジェリカは命乞いを口にし出した。

「ねえ……お願い、許して! あなたの力はもうわかったわ……も、もう金輪際関わらないから。そ、それでも気が済まないなら……こういうのはどう? 私が家の力であなたを後押ししてあげる。それほどの力と貴族の権力さえあれば、絶対に当代一……いえ、歴史に残る聖女となれるわ! そうしたら、私たちでこの聖王国を支配っ、計画を今父が進めていてだから必ず叶っ……いやぁぁぁぁぁああ!」

 どんどん早口になる彼女の毛先が、少しずつ近づけられる刃に触れて、塵に帰る。
 それを見たアンジェリカは恐慌状態に陥って泣きじゃくった。
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