極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「いやぁぁぁぁ! 誰か、誰か――! こんなところで死ぬのは嫌! お父様、お母様ぁぁ!」
(……ダ、ダメだ。止まって……殺しちゃダメ)

 そこでやっと刃がピタリと止まった。私がようやく意識の舵を取り戻しつつあったのだ。
 意思を総動員し、懸命に振り上げられた腕を押しとどめる。でも――。

『こいつはジャマだからって、あなたをころそうとした。おなじめにあわせてなにがいけないの?』
(それでも……ダメなの!)

 純粋さを伴うその声に、私は必死に言い聞かせる。命は奪えば、取り返しがつかない。たとえどんな悪人からでも、奪ってはダメなんだ!

 ……だが、その大切さを説くにはあまりにも時間が足りなかった。

『しんじゃえ』
(ダメぇーっ!)

 無情にも。刃がアンジェリカの頭の上から降り降ろされ――。
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