極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 怒られてしまったけど、肝心なことは教えてもらえた。つまり、あの亀裂は魔物の本体ともなんらかの関連がある……そんな気がする。

(もっと近くで見てみれば、何か分かるかも!)

 決心した私は、聖力で生み出した大量の紙吹雪を、翼の形にして背中に生やす。
 こんなことを試すのは初めてだけど、地上でバサバサはためかせると、それは私をゆっくり空中へと運んでいった。

 大丈夫だ、多少コツがいるけど、なんとか飛べる。

 私は風にあおられコントロールを失いかけながらも、よろよろと魔物の遥か上空へ浮かんでゆき、そして目のあたりにした。

「これが……魔物の通り穴」

 巨大な亀裂の奥に広がる虚無に私はぐっと唾を飲みながら、ペーレ室長から聞いた話を思い出した。

『不思議なことに……魔物の出現する直前に世界書に現れた黒ずみは、じわじわと一定の大きさまで成長した後、討伐後もそこに残る。つまり、穴は見た目塞がったように見えても上辺だけ。依然として存在し続けると考えられるのだよねぇ……』
< 319 / 840 >

この作品をシェア

pagetop