極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 魔物の本体は出入り口の奥の虚無で、こちら側にいるのは分身のようなもの――室長はそんな可能性も語っていた。

 となると――目に見える魔物を倒しただけでは、ここから再びやつらが出てきそうなものだけど。なぜ、それが起こらないのかといえば……おそらくは歴代の聖女や今の王妃が世界書に封印をかけてくれているおかげ。

 なら……この穴を塞げば、下の魔物になにか、よくない影響を与えることができるんじゃ……!

(とはいえ……どうすればいいかな)

 亀裂の奥は光も通さない真っ暗闇で、何も見えない。こちら側と、何らかの境目で隔てられた、裏側の世界。

(触れてみる? でも……)

 そんなことをすれば聖女とて、身体にどんな影響がでるかわからない。

 でも眼下を見れば、皆が必死に戦っている。恐れている暇はないんだと言い聞かせ、私は聖力を身に纏い近づくと、その端に指で触れた。
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