極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「――そうじゃない」

 そこで――。

「落ち着いて。心の奥底から純粋な願いを呼び起こすんだ。それが君に宿る奇跡を目覚めさせる、一番の近道だよ」

 どこかから、風に乗せるようにして耳に声が届く。
 はっきりとした芯がありながら、こちらの気持ちを落ち着かせる涼やかな声音。

 そこに説得力を感じた私は、ひとつ呼吸すると従う。

(なんだかわかんないけど、やるしか……)

 純粋な願いってなんだ――頭に過ぎったのは過去の断片。
 前世幼き頃、施設で暮らしていた当時の寂しい記憶。

(そうだ……あの頃。ろくに遊ぶものなんて買ってもらえなくて、おもちゃは皆年長の子供たちが独占してたから……。仕方なく私は捨てるチラシやコピーなんかを見つけて、折り紙やお絵描きで時間を潰してた。でも、どうして今……?)
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