極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「おい、シーリ! いくらなんでもこんなやつと協力するなんて――」
「いい加減にしなさい!」
「――っ!」

 パン――と、軽く殿下の頬を張った手に衝撃が伝わる。
 誰かを自分の意志で殴るなんて初めてだ。でも……今は時間をかけて説得してる暇なんてない。

「罰を受けろというなら後でいくらでも。でも殿下……あなたが苦しむ母親を見つめ続ける傍らで、アルベール様も自分の力不足を悔やみながら、必死に国を守ってきた。その努力だけはわかってあげてください」
「…………」

 デュリス殿下は言葉を詰めた後、ぐっと奥歯を噛み締めた。

「オレは、こやつのことが大嫌いだ……」

 しばらくそうした後、アルベール様を睨みつけるように見つめて言う。

「だが、覚えてる。母上は、こいつを兄として、兄弟仲良くするよう、ことあるごとにずっとオレに諭していた。だから……今だけ、協力してやる」
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