極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 兄弟が駆け寄り、その顔を覗き込んだ。ルイーゼ様が、部屋の隅に待機させていた聖女達を呼ぶ。

 しかし……王妃様はそれを厭うように手を出すと、無理やり身体を起こした。

「封印を……、解いて、しまったのですね……」
「母上の決意に水を差しました。でも……オレたちは、どうしても」
「かけがえのない家族の命だ。見過ごすことはできませんでした」
「ええ、わかっています。ですが……」

 兄弟を責めず、荒い息を吐きながら微笑みを浮かべると、王妃様は世界書を見据えた。

「書の封印は解かれてしまった。今まで私が封じていた世界の穴が……一斉に働きを取り戻すでしょう。そうなれば、魔物達が再出してこの国を――いや、世界のあらゆる場所を蹂躙する。誰かが、それを止めねば……」

 そこで私の腕を引き、ルイーゼ様が一歩前に出る。

「お任せてくださいティリシャ様。あなただけにこの国の命運を背負わせはしません! 何か策があるのよね、シーリ」
「……はい!」

 皆に見つめられ緊張したけれど、私ははっきりと返事をする。

 うまくいくかは私たち次第だけど、勝算はある……この場に居る皆で、この世界を救うんだ――!
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