極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 こんな屈辱は初めてだ。私は顔を俯け恥で顔面を塗りつぶしながら騎士の後ろをただ歩く。そして辿り着いたのは、王宮の門前に止まるひとつの馬車。

 私は、ぽかんと口を開けた。
 その馬車には、あるべきものが付いていなかったから。

「……迎えは? 父が手を回して釈放の手続きをしてくれたんでしょう? うちの馬車はどこ?」

 ジーレット家の家紋を付けた馬車は、見当たらない。
 代わりにそこで待っていたのは、物々しい黒い馬車と数名の黒甲冑の騎士だ。

 彼らは、明らかにこの国の者たちではない。
 おそらくその装いからして、隣国の魔帝国に使える者たちではないか……?

 こんなやつらと引き合わせられ戸惑う私に、聖王国の騎士は言った。

「何を言う、貴様はこれから魔帝国送りにされるのだぞ? 奪聖痕を身に受けた穢れし聖女など、この国においておけるはずがないがないだろう」
「なんですって――⁉」
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