極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 身体中の血液が、一気に氷結した気がした。ドッ、ドッと心臓の音がうるさく迫って来て、汗が体中からダラダラと吹きだす。

「そ……そんなはず! そんなことが許されるものですか! 私はこの聖王国が誇るあの、ジーレット侯爵の娘なのよ! しかも今後金盞花の乙女になることが決まっていた才あるこの私を⁉ ふざけるな!」

 手枷を揺らし、歯を剥き出しにして抗議するも、無情にも騎士は私の背中を強く剣の柄で向こうへと押し出した。

「……言わないでいてやろうかと思ったが……反省のないお前の態度を見て気が変わった。お前の父親の侯爵様はなぁ、もうすでにこの国から逃げ出してるんだよ! 何か大きく国に叛く行いをして、追及する前にとんずらをこいたそうだ。そういうわけだから、恨むのなら今まで好き放題やってきた自分たちを恨むんだな」
「…………え。な、なにを言うの? そんな、バカなっ……。――きゃぁ⁉ 痛い、何するのよ!」

 王国騎士の言葉は到底私には理解できない。だが、ひとりの黒い騎士に髪をぐっと掴み引き寄せられた。
 やつらは抵抗できない私を、馬車の後部についてあった鉄檻の中に、まるで家畜のように無理やり詰め込むと鍵をかける。
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