極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
(それにこの感じ……動かせる、気がする)

 スッと手を持ち上げると、合わせて紙屑の山が宙へと浮きあがる。それに反応したのか、魔物は明らかに触手の向きを変え逃走へと移り出した。

「動きを止めて!」
「へ? は、はい!」

 先程と同じ声音が背後から近づく。
 私は反射的に従い紙片を操ると、魔物の上空から一気にぶちまけた。その後、包むようにした両手で、ぐいと引っ張る真似をする。

「ウ、ゥゥ――」

 ぐっと手ごたえがあり、やつの動きはその場でピタリと縫い留められた。
 合わせたかのように、地を蹴る音。ひとつの優美な人影が背中を追い抜く。

「――ふっ」
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