極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「……ど、どうして私が、こんな目に遭わなければならないの。どうして……」

 ぼろぼろと両目から絶望の涙が溢れ、服を汚した。
 誰もそんな質問に答えるどころか、私を蔑みの目で見るばかり。その中にはかつて私に遜っていた者たちもいたというのに……。

 やがて……通りの終点、聖都の門を潜ると黒騎士は告げた。

「お前はもう二度とここに戻ることもないだろう。見納めの故郷の景色を、後悔の無いようによく目に焼き付けておくんだな、元侯爵令嬢殿」
「……あ、あぁぁ」

 鉄格子の隙間からぐっと手を伸ばす。
 数百年の歴史を誇る白壁に囲まれたあの街が……大聖殿と王宮を擁すこの国の頂の地が、二度と手の届かぬところに行ってしまう。

 たまらず私は泣き叫んだ。

「ごめんなさい! 私が悪かったの……傲慢だった! もう誰も虐げたり、踏みつけにしたりしないわ……約束する! 贅沢もしないし、お金も要らない! 何もいらないから……。だから私を、あの場所に戻してぇぇっ――‼」

 馬車の檻の中で私は泣き伏したまま、額を血が出るまで床にこすりつけ、神様に何度もお願いした。

 けれど……涙が枯れるまで出し切ろうと、その望みが届くことはなく……。
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