極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「ハ、ハハッ。どうだ、やってやったぞ、クズどもめ……ハァ、ハァ」

 ついに……奇跡的に帝国騎士の追撃を振り切ってやった!

 どこかも分からない薄暗い森の奥。ぼろぼろの姿で私は地面に倒れ込み、大きく胸を上下させた。
 もう動けない。喉も乾き、腹も減って死にそうだ。こんな感覚は、生まれてから一、二度しか味わったことがない。

「とりあえず、水だ。今は生き延びることだけを考えろ……」

 生存本能に従い木の幹を支えにふらふらと立ち上がると、私は周囲を探索しようとする。再び追手が掛かるまでに、どこかの街で姿を変え身を隠さねば。

「アハッ、しぶといなぁ。よく逃げおおせたものだ」
「――だ、誰だッ!」

 女の声に振り向く。
 先程までの疲れも忘れて身体の汗が一気に冷え、寒気すら感じる。声の主が、木陰の裏から忽然と現れた。
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