極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 怒りのまま殴りかかろうとした私の行動は……生存本能によって中断された。
 近くに馬蹄の奏でる響きが押し寄せて来たからだ。私は急いで背中を向ける。
 
 最後にちらりと見えたのはメナの残酷さと無邪気さが共存する、子どものような笑み。

「さようなら。ただの、ベレニュス・ジーレットさん」
「――がっ」

 ――背中に、いくつもの矢が突き立つ。
 私は前に倒れる。視界が霞み……温かいものが身体から流れ出してゆく。死の気配が……すぐそこに。

「ま、そう悲しむこともない。人生なんて一夜の夢。遠からず、多くの人が同じ末路を辿ることになるから」
(……私は、選ばれた者ではなかったのか)

 ああ……まだ、終わりたく、ない。
 人生はまだ何ひとつ、私を満足させてくれて……いな――。
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